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出生率上昇 危機的状況に変わりない - 産経新聞

暗い話題の多い人口問題にあって、久々の朗報とはいえる。

 昨年の出生数が100万5656人となり、5年ぶりに増加に転じた。1人の女性が生涯に産む子供の推定数である合計特殊出生率も1・46へと若干の回復となった。

 厚生労働省の見立てでは、平成25、26年ごろに経済が好転し、子供を持とうとする人が増えたためだという。

 だが、楽観は禁物である。むしろ、危機的状況に変わりはないと認識すべきだろう。

 出産できる年齢から団塊ジュニア世代が外れ始めており、そうした女性の数が減るためだ。昨年と同じ出生率1・46だった5年の出生数は約18万人多かった。出生率が多少上向いても、女性が少なければ出生数は大きく増えない。

 昨年は初産の母親の平均年齢が30・7歳と過去最高を記録し、晩産化傾向が続いている。30代以上の出産が増え、20代は減った。婚姻件数も戦後最少である。

 結婚や出産は個人の選択だが、望みながらも実現できない人が大勢いる。国民の希望がかなうよう、官民を挙げて少子化問題への取り組みを急ぐべきである。

 まずは第1子対策だ。日本では結婚による出産が多く、結婚支援策の強化が有効といえよう。少子化社会対策白書によれば、20~49歳の4割が「結婚生活にかかるお金」を心配している。雇用の安定が何より重要である。

 男性は年収300万円未満で未婚者が多い傾向にある。正社員を増やし、所得を高める企業経営に期待したい。政府はこれを後押しするよう環境を整備すべきだ。

 白書は、若い未婚男女の4割近くが職場に独身の異性がいないという調査も紹介している。出会いのきっかけを増やすことが大切である。周囲で縁談を勧める「世話焼き」の人が、もっといてもいいのではないか。

 第2子以降を諦めている人も少なくない。夫による休日の家事・育児時間が長い家庭ほど第2子以降が多いとの調査結果もある。家事参加を促すには、長時間労働の是正を進めるべきだ。政府は保育士の待遇改善に乗り出すが、使いやすい保育サービスにつながるよう工夫を重ねてもらいたい。

 少子化対策に近道はない。出生数の反転を確かな流れにするためにも、個々ができるところから始めることが重要となる。