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カンボジアの幼児教育支援 - 福祉新聞

 今年1月、国際協力機構(JICA)の草の根協力事業によるカンボジアの幼児教育支援1年目がスタートしました。この事業は、静岡県、シャンティ国際ボランティア会、社会福祉法人天竜厚生会の3者が取り組み、天竜厚生会は幼児教育支援のマニュアル作成および実施に向けての現地職員の指導支援を行います。

 

 天竜厚生会がこのような事業を推進するに至った背景には、30数年前に始まった、全国社会福祉協議会の実施するアジア社会福祉事業従事者研修生の受け入れがあります。

 

 毎年訪れるアジア研修生は、懸命に我が国の福祉を学んでいました。制度が構築されていない国からの研修生は、制度のない現実を受け入れながら、帰国後学んだ内容を少しでも生かそうと頑張り、既に自国で事業化している研修生も少なくありません。そのような彼らにたくましさを感ずるとともに、天竜厚生会創始者たちの活動の姿と重なってきます。

 

 天竜厚生会も創設65年を過ぎ、ともすると創始者たちの熱い思いは、若い世代には届きにくくなっていますが、だからこそさまざまな機会を通じて伝えていかなければと思っています。特に、福祉とは制度があるから実施するのではなく、地域にある見えにくいニーズに応えていくことこそ重要であると肌で感じてもらいたいと思っていました。

 

 今回、カンボジアの幼児教育支援の必要性を聞き、天竜厚生会が長年培ってきた保育、幼児教育をアジアにおいて協力することはとても良い機会であると感じます。我が国の保育事情しか知らない職員が、カンボジアの実情を学び、カンボジアというアジアの中でも貧困と言われる国で何ができるのか、特に貧困とは何か、肌で感じ取ってもらいたいと考えています。まさに大きな学びの機会がそこにあると感じます。

 

 まだスタートしたばかりの事業で暗中模索し、若い保育士たちが議論を重ねています。もとより日本の保育システムをそのまま持ち込むことはできませんが、そこからどう応用できるか、保育の原点や幼児教育の共通性を見いだしてくれればと思っています。彼ら自身がマニュアルを作成する過程でカンボジアの風土や歴史をもっともっと知らなければならないという意気込みを感じ、うれしく思っています。

 

 既に昨年から天竜厚生会独自のスタディーツアーを開始し、アジア研修生たちの活動地やカンボジアで今後保育教育事業を展開するバッタンバン州にも出向き、保育以外の職員もこの取り組みを理解し、協力していけるよう図り、多くの職員の関心を高めていきたいと考えています。