保育士求人・転職情報も満載!保育業界について考えるブログ

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ワーママ必見!現役保育士が語る「今どき保育園のリアルとホンネ」 - Shinga Farm

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近頃何かと話題の保育園問題。給料が悪い、制度が悪い、などはよく耳にしますが実際のところはどうなの? と疑問に思うママたちも多いはず。

そこで今回は知られざる保育の実情を突撃リポート。

現役保育士が語る保育の現場から先生たちのホンネまで。ワーママなら見ないふりはできない“保育園のリアル”をお届けします。

“かわいい子どもたちと楽しく遊んでいる仕事”。世間では保育士をそんな風に思っている方もまだまだいるのではないでしょうか。

“子どもが好き”そんな簡単な理由だけでは決して務まらない保育の現場をもっともっと知っていただくべく、某保育園の現役施設長にお話をお聞きしました。
一瞬でも気を抜けない保育の現場はまさに救命病棟のよう。そこにはママたちの想像を超えた苦労があったのでした。

背中に目をつけろ!? 一瞬でも気を抜けない保育の現場

好奇心旺盛で常に元気いっぱいの子どもたちの行動は、大人にとってまさに予測不能。

お散歩中に道路へ飛び出さないか、遊具から落ちないか、食事中椅子から立ち上がって転ばないか、積み木を投げてお友達に怪我をさせないか…保育士は常に目を光らせていなければいけません。見える範囲だけではダメ、視野は常に180°以上。私たちはそれを“背中に目をつけろ”と呼んでいます。

起きている間だけではありません。寝ている間もうつ伏せ寝をしていないか、呼吸をしているか、常に見ていなければいけません。
体調の変化にも目を配り、イレギュラーなことが起きた時いかに素早く対応できるかが問われます。

さらに、それらを連絡ノートに個別に記録して親御さんに伝えなければいけません。食事や休憩はもちろん、中にはトイレにも行けず膀胱炎になるなんていう先生もいるんです。本気で保育をしているとそれくらい体力を消耗します。

辞めていく理由は安い給料と腰痛、若い先生はオシャレの制限も

背中に赤ちゃんをおんぶしながら15kg近い幼児を抱っこしたり、背の低い子ども用のテーブルと椅子に合わせて作業姿勢は常に中腰…。先生たちは必ずといっていいほど腰を痛めます。コルセットをしている人や腱鞘炎になる人もザラではありません。そう、まさに保育士は体力勝負なんです。

20代の頃はまだいいのですが、30代、40代になるとガタっと体力が落ちてくるので本当につらい。やりがいはあって子どもが好きだけれど、体が言うことを聞かずやむなく退職するという先生も多いです。もちろん、それに見合っていないお給料の低さや若い先生にとってはオシャレな格好やヘアスタイルが楽しめないというのも辞めて行く大きな理由のひとつ

最近ようやく保育士の給料について見直しの声が国会でもあがってきましたが、保育士はボランティアではないんです。これから若い人材が育つためにも、保育士という仕事をもっと社会に認めてもらい、一刻も早く給料体系を見直して欲しい、そう思います。

親のクレームに耐えうる強靭なメンタルが何より必要!

体力だけではありません。愛するわが子を心配するが故の、親御さんからの嵐のようなクレームに対応するには、いちいち凹んでいたら身がもちません。

保育士には強いハートも必要不可欠なのです。私が経験したクレームの一例をご紹介しましょう。

・荷物の入れ間違い

一番多いクレームがコレ。違う子のロッカーや鞄に汚れた着替えを入れても、気づかずに持って帰ってしまったり、歯ブラシケースのフタが別の子のものだったり(たとえ子どもがしたとしても確認しなかった保育士が悪い)。

一度は許してくれるのですが、二度、三度続くと親御さんはキレます。「今すぐ持ってこい!」と怒鳴られタクシーに飛び乗って菓子折り持参でご自宅まで渡しに行ったこともしばしば…。

・〇〇ちゃんにイジワルされた

子どもの言うことですから、きちんと事情を大人に説明できません。でも親はわが子の言うことを信じますよね。たとえ自分の子が先に手を出していたとしても…。

娘さんの顔に傷をつけようものなら、お父様から「訴えるぞ!」レベルのクレームが。こうなると若い先生では無理。責任者(園長)や主任の先生などベテランがひたすら謝るしかありません。

そんなことが日常茶飯事。施設長ともなればもはやクレーム処理が主な仕事といっても過言ではないほど(笑)。幸い私は寝たらイヤな事も忘れてしまう性格なのですが、内に溜めこんでしまうタイプだと心を病んでしまう場合もあるでしょう。

まるでサッカー! 先生同士のフォーメーションが問われる保育の日常

保育士個人の質ももちろん大事なのですが、保育園の現場において一番重要なのが先生同士のチームワーク。例えるならサッカーの試合と同じです。

公園であれこれ指令を出さずとも、あうんの呼吸でベストな配置につけたり、先生が席を外すタイミングでさっとフォローができたり。そのフォーメーションはベテランの先生なのか新人の先生か、どんな保育をするかによっても変わってきます。

その連携がうまくとれていると教室の雰囲気もよく、子どもたちもとても楽しそうなのですが、先生同士も人間なので相性もあります。

歯車がちょっと狂ってしまうとその雰囲気は子どもたちにも伝わるので、ぐずる子や喧嘩が増えたりするんです。そのあたりをマネジメントしていくのが園長の腕の見せ所でしょうか。

新人を育てるかベテランを取るか。勤務年齢の格差

圧倒的に女性が多い保育の現場は年齢もさまざま。

特に子育て世代(30代)は産休などで抜けることも多いので、新人の20代とベテランの40代、50代が占める割合が多くなってきます。どの職場でもそうでしょうが、その世代間の価値観の差は合って当たり前。

オシャレもしたい、有給を使って旅行にも行きたい20代の先生と、昔ながらの保育スタイルを一切曲げない50代のベテラン。女性特有のプライドもあるのでまあぶつかりますよね。

そこに折り合いをつけるのは本当に大変です。ベテランの経験に勝るものはないのですが、子育て未経験の20代にそれを求めるのは酷なこと。特に若い先生たちは嫌なことがあるとすぐ辞めがちなので(笑)、子ども同様褒めて伸ばしつつ、雰囲気のいい現場を心掛けることが大切なんです。

開かれた保育を目指すために今すべきこと

マイナスな面ばかりお伝えしてしまいましたが、今保育の現場は開かれた保育を目指し奮闘しています。ママたちの働き方も変わってきた今、保育する側の意識も変える必要があると思うんです。

先生同士のスキルアップを図れる研修制度や勉強会を開いたり、音楽の先生や元小学校教員、子育てを終えた60代などさまざまな経験をもつ人材を取り入れることも、先生たちも視野が広がり、いい刺激になると思います。

また、ママたちからお迎えの際に仕事や子育ての愚痴や悩みを言ってもらえたりすることも、若い保育士には「お母さんに信頼された!」という自信につながるんです。

ぜひ、働くお母さんたちは保育士たちにもっといろんなお話をしてほしいと思います。先生たちはママとの会話を通して社会を知るきっかけにもなりますから。

 

いかがでしたか。開かれた保育を目指して、今すべきことを地域が一体となって考える必要があるなと考えさせられました。

たとえば、「一日先生を体験することを社会人の義務にする」など、子どもがいるいないに関わらず、社会全体が保育士という仕事に興味関心を持ち、正しく評価されるべきだなと実感しました。