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子どもの急病 保護者に代わり市職員が対応 - 公明新聞

市運営の「病児・病後児保育施設」の開設を喜ぶ大野市議

市運営の「病児・病後児保育施設」の開設を喜ぶ大野市議(右)

 

全国初 “お迎え”付き「病児・病後児保育事業」
愛媛・伊予市

仕事と子育ての両立を支援しようと、愛媛県伊予市は今年度から、市運営の病児・病後児保育事業をスタートさせ、同保育施設「いよっこ すまいる」(定員6人)を開設した。小学校や幼稚園、保育所にいる子どもが、発熱や腹痛で急な迎えが必要になった場合、仕事中の保護者に代わって保育士などの市職員が対応する「お迎えサービス」付きで、全国初の取り組みとして注目を集めている。

仕事と子育ての両立を後押し

同市は、これまで隣町の松前町の民間病院に委託し、病児・病後児保育事業を行ってきたが、送迎に時間がかかることが最大の課題となっていた。

お迎えサービス利用者からサービス拡充を求める痛切な声を聞いた公明党の大野鎮司市議は、2013年6月定例会で、市内での実施を要望。その後も担当課に粘り強く訴え続けたほか、15年3月定例会で再度取り上げ、今回の市運営によるお迎え付きの事業が実現した。

お迎えサービスのシステムは、(1)学校や幼稚園、保育所などから急病の連絡が保護者に入る(2)保護者は「いよっこ すまいる」に電話で“お迎え”を依頼(3)施設の保育士と看護師が公用車で出動し、子どもを預かる(4)協力医療機関の宇山小児科で診察(5)保育施設で療育、一時預かり(6)仕事が終わった保護者が保育施設に迎えに行く―という仕組み【図参照】。

赤ちゃんから小6まで対象

同保育施設は、市立ぐんちゅう保育所に隣接し、市が子育て支援センターとして利用していた施設を改装したもの。お迎えサービスの対象は、生後6カ月の乳児から小学6年生までの児童で、市立小学校と、民間も含めた全幼稚園、保育所へのお迎えが可能だ。従来通り、保護者が仕事前に直接、施設に預けることもできる。

利用時間は、平日午前7時半から午後6時、土曜日は午前7時半から午後0時半まで。利用料金は1人1日1500円(5時間以内は750円)で、「お迎え」は無料。事前の申し込みが必要で、5月30日現在で275人が登録している。

3人を子育てしながらフルタイムで働く小幡美由紀さんは、「仕事中に学校から電話があるとドキッとする。急に職場を抜けられないことも多く、1本の電話で迎えや病院にも連れて行ってもらえるので、とても助かる。もしものときは利用したい」と喜んでいた。

市民福祉部の西川重子部長は「保育所の所長時代に病児・病後児保育施設の要望が多かった。こうしたサービスの実施によって、女性がさらに働きやすくなるのではないかと思い、実現に踏み切った。大いに利用してほしい」と語っていた。