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出生率改善、フランスに学ぶ「保育ママ」利用広がる - 朝日新聞

合計特殊出生率は緩やかな回復傾向にあるが、人口減を食い止める水準にはほど遠い。「希望出生率1・8」を掲げる安倍政権は対策を強めるが、まだ効果が見えない。一時は落ち込んだ出生率を大幅に改善させたフランスの取り組みから、課題を探った。

 

男女で知って欲しい妊活

 パリ市郊外に住む美容師のデルフィーヌ・ロリンさん(39)は長男ネルソン君(1)の出産後、復職したくても保育所が見つからなかった。そこで頼ったのが「保育ママ」の制度だ。

 この制度では、研修を受けた人が自宅で6歳以下の子どもを預かる。デルフィーヌさんは火曜日から金曜日の午前9時~午後6時に利用する。出勤の遅いデルフィーヌさんが送り、帰りが早い大工職人の夫が迎える。デルフィーヌさんは「他人に預けることに不安もあったけれど、きちんとした人で子どももなついている」と満足する。

 日本でも保育ママ制度はある。子育て経験のある主婦らが研修を受けて担い手となり、対象は3歳未満。昨年4月に始まった子ども・子育て支援新制度で認可事業に加わり、利用しやすくなった。昨年4月時点で認可された保育ママ事業は931カ所。保育施設不足の中で、受け皿を広げる切り札として期待される。

 1977年に制度化されたフランスでは、国内に31万人ほどの保育ママがいる。3歳未満の子どものうち3割程度が保育ママを利用し、保育所は1割程度にとどまる。パリ市子どもの保育担当顧問のナウエル・ウメール氏は「建設コストがかかる保育所に比べ、対応しやすい」と話す。

 デルフィーヌさんの場合、3歳未満の子ども向けの基礎手当が月約2万2千円(約185ユーロ)、保育料補助が月約3万5千円、自治体の独自補助が月約1万円。これで月約9万6千円の保育料の大半が賄える。

 日本の少子化対策のカギは子どもに国がかけるお金だ。フランスが家族関係に支出した割合は2011年で実質国内総生産(GDP)の2・85%。日本は1・36%と半分にすぎない。

 日本の子ども向け手当は低中所得者が中心なのに対し、フランスでは第2子以降は所得制限もなくなる。フランスの合計特殊出生率は93年と94年の1・66から、10年には2・02まで回復した。フランス国立人口問題研究所のロラン・トレモン研究員は「手当や保育サービスを充実させて子育て家庭を支えることに社会が合意している」とする。