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ふるさと納税、裾野広く 15年度寄付件数3.8倍に - 日本経済新聞

個人が故郷や好きな自治体に寄付できる「ふるさと納税」が2015年度に1652億円となり、前年度の4.3倍に急増した。自治体の返礼品競争などを背景に、寄付件数も3.8倍の726万件となった。寄付を教育や子育てに活用する例が多いが、一部に使い道を決めていない自治体があるなど課題も浮かび上がってきた。

 ふるさと納税は14年度から大きく増え始めた。最大の理由は自治体の返礼品が充実し、制度の認知度が上がったことだ。受け取った寄付額が全国最多だった宮崎県都城市は牛肉と焼酎、2位の静岡県焼津市はマグロなどが人気だ。

 裾野が広がった一方、集めた寄付をどう地域活性化につなげるかという問題が出てきている。

 「この立体の展開図はどんな形になるかな?」。長崎県平戸市内の小学校で、教師が手元のタブレット(多機能携帯端末)で立体の一辺をなぞると、スクリーンには展開していく様子が映る。同市は15年度、こうした教材用のタブレットとスクリーンを市内の全小中学校に導入した。原資はふるさと納税の寄付だ。

 総務省が全国1788の自治体に寄付の使い道を複数回答で聞いたところ、教育・人づくりが31.6%で最も多く、子育て(28.6%)、医療・福祉(26.2%)が続いた。

 早くも効果が表れている自治体もある。寄付額が全国有数の北海道上士幌町は15年度、寄付を財源に保育所と幼稚園の機能を併せ持つ認定こども園を一部無料化して開設した。減少が続いていた人口が2~5月の4カ月間で40人増えた。町の担当者は「昭和時代に人口が減り始めてから初めての現象」と驚く。同町は16年度から10年間、認定こども園の保育料を完全に無料にする予定という。

 制度のゆがみも生じている。一つは自治体の返礼品だ。千葉県大多喜町は2014年12月から寄付額の7割相当の商品券を返礼品に用意し、15年度に町税収入(10.4億円)を上回る18.5億円の寄付を集めた。

 ところがインターネットオークションで商品券が転売される事例が続出。実質的な節税対策になる利用方法も広がった。4月に総務省が換金性の高い返礼品の自粛を要請したため、同町では5月末に全面廃止する事態になった。一方、大多喜町に隣接する勝浦市では同町に対抗して4月に商品券を返礼品に加え、競争は激しい。

 使い道の面でも「使い道はこれから考える」(山形県内のある市)という声がある。寄付が急増した反動で、有効な活用方法を決め切れていない自治体も少なくない。