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給付型奨学金の検討、保育士の待遇改善 事実上の与党公約 - 東京新聞

 

 政府は二日、本年度の経済財政運営の基本指針「骨太方針」と、少子化対策などを盛り込んだ「一億総活躍プラン」「成長戦略」など五つの政策文書を閣議決定した。返済の必要がない給付型奨学金制度の創設を検討すると明記。政府は二〇一七年度導入を目指す。安倍晋三首相は各種政策を通じ二一年度までに「名目国内総生産(GDP)六百兆円」の実現を目指す考え。七月十日投開票の参院選に向けた自民、公明両党の事実上の公約となる。 

 ほかに決定したのは「規制改革実施計画」と地方創生の基本方針を定めた「まち・ひと・しごと創生基本方針」。首相は閣議に先だつ政府の会議で「成長と分配の好循環を全国に波及させ、アベノミクスのエンジンを最大限吹かさなければならない」と強調した。

 骨太方針には、消費税率10%への引き上げを一九年十月まで二年半延期することを明記。同時に「二〇年度に基礎的財政収支を黒字化させる財政健全化目標を堅持する」とした。増税延期で不足する財源には具体的に言及しなかった。

 五つの文書のうち、安倍政権が目玉に位置付けるのは、子育てや介護の支援を通じて働きやすい環境を整えて経済成長につなげる一億総活躍プラン。一七年度に保育士や介護職員の賃上げを実施するほか、非正規労働者の待遇改善策「同一労働同一賃金」の実現を目指すことを盛り込んだ。

 ただ、保育士や介護職員の待遇改善には二千億円規模の財源が必要とされる。骨太方針では「アベノミクスの成果を活用する」とし、経済成長による増収分を財源に充てる考えを示したが、景気が後退した場合は期待したほどの税収が見込めない恐れがある。

 このほか、低迷する個人消費を喚起するため、政府が全国の商店街に一斉セールを呼び掛けたり、例えば一冊一万円で一万二千円分の買い物ができる「プレミアム商品券」を発行したりすることも検討項目として盛り込んだ。

 成長戦略では、人工知能(AI)などを活用し、生産性を高める「第四次産業革命」を柱にした。個人宅を宿泊施設として貸し出す「民泊」の推進など、規制改革の方針も示した。

◆景気頼み、財源裏付けなく

 政府は「骨太方針」などの政策文書に保育士・介護職員の待遇改善などのメニューを列挙し、経済を底上げする方針を示した。主な財源は景気回復による税収増や歳出削減の効果だ。安倍晋三首相は経済減速の「リスクに備えなければならない」と消費税増税の延期を表明したばかり。それと同時に、財源を景気回復に求める方針には「危うさ」を指摘する声もある。

 二〇一四年度の国の一般会計の税収は、政府が当初想定した五十兆円を約四兆円上回った。「上振れ分」が出たのは金融緩和に伴う円安・株高で法人税収が増えたためだ。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの中田一良氏は「いつまで続くか分からない『上振れ』を財源にするのは違和感がある」と話す。実際、円高・株安が進んだ年明け以降は税収の伸びは鈍化している。過去の経済危機後に税収が政府想定を下回る「下振れ」が起きた前例もある。

 骨太方針では二〇年度の財政健全化目標は堅持したが、消費税増税の延期で不足する財源をどう補うかは示さなかった。一方で、首相は「総合的大胆な経済対策を秋に講じる」と明言。今後、財源をどう確保するかが問われる。