待機児童解消に向けた施策の充実 - 大阪市

〇 待機児童解消に向けた施策の充実
（２）保育人材確保や認可保育所等の整備促進
（内閣府・厚生労働省）

【本市の提案・要望】
○ 若手保育士の処遇改善の確実な実施
○ 保育士養成校の新規卒業者等の就業支援や潜在保育士の再就職支援の拡充
○ 保育士の離職防止支援策や保育士の負担軽減・労働環境改善施策の充実
○ 都市部の実態に応じた賃料や整備補助金の充実
○ 保育所等整備交付金などにおける補助水準の充実と柔軟な運用
【現状・課題】
（若手保育士の処遇改善の確実な実施）
○ 保育士の給与水準が一般労働者よりも低いため、従来の処遇改善等加算による保育士
全体の処遇の向上を推進するとともに、とくに若手保育士の確保・継続雇用の観点か
ら、若手保育士の給与に直接反映されるような処遇改善の実施方法の検討が必要であ
る。
（保育士養成校の新規卒業者等の就業支援や潜在保育士の再就職支援の拡充）
○ 大阪市内の保育士養成施設の卒業者のうち保育施設に就職する者はわずか49％にとど
まる。保育人材不足が深刻化する今日、保育士養成校の新規卒業者や保育士試験合格
者を保育施設への就職につなげる支援事業を強化するとともに、潜在保育士の就職準
備金貸付の使途要件を緩和するなど柔軟性のある就職支援事業に改善する必要があ
る。
（保育士の離職防止支援策や保育士の負担軽減・労働環境改善施策の充実）
○ 宿舎借り上げ支援の平成 30 年度以降の継続実施、保育士の就業継続支援につながる事
業の地方財源の負担割合の軽減、平成 27 年度厚生労働省補正予算でのＩＣＴを活用し
た「保育所等における業務効率化推進事業」に続く保育士の負担軽減となる施策の実
施など、保育士の労働環境改善や継続雇用を支援する施策の充実を図るべきである。
（都市部の実態に応じた賃料や整備補助金の充実）
○ 都市部での賃貸物件を活用した保育所整備の前払い補助金については、平成 27 年度か
ら給付費に移行したが、インセンティブとしては従前と同様の設立時前払い補助が有
効である。また、大都市では実勢賃料が賃料加算額を大幅に超えているため、給付費
は、東京都などと同等の加算額となるべきである。さらに施設整備費についても、工
事資材や人件費の高騰などから実情に合わせた補助金額を嵩上げすべきである。
（保育所等整備交付金などにおける補助水準の充実と柔軟な運用）
○ 保育所等整備の交付事務について、これまでの安心こども基金と同様に国への随時申
請を可能とするなど、より円滑かつ柔軟な運用ができる制度にすべきである。
○ 保育所等整備交付金及び保育対策総合支援事業費補助金における整備補助金は、待機
児童解消加速化プランに参加している市町村に限り国の補助率が嵩上げされている
が、プラン終了後も引き続き継続するべきである。
担当：こども青少年局
区分 都道府県 加算額（60名定員）
a地域 東京都、神奈川県　ほか 月468千円
b地域 大阪府　ほか 月258千円
○保育士と一般労働者の賃金水準 【出典】平成27年度 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
○保育士の経験年数、離職の状況【出典】平成25年度 厚生労働省「社会福祉施設等調査」
勤務者 退職者数 離職率
全体 320,196 32,823 10.3%
うち公営 116,862 8,330 7.1%
うち民営 203,334 24,493 12.0%
○賃貸物件による保育所を整備した場合（定員 60 名の場合）
○給付費における賃借料加算区分及び加算額（区分表のａ～ｄ地域のうちａ、ｂ地域を抜粋）
平成26年度まで 平成27年度以降
整備費 27,000千円　3/4補助 27,000千円　3/4補助 約40,000～70,000千円
41,000千円　3/4補助
（設立時に交付）
給付費（運営費） 月258千円　10/10給付
賃料加算 （毎月交付）（※）
（※）金額については、平成28年度の公定価格（平成27年度は、月168千円）
これまでの賃料補助は設立時に前払賃料として交付していたため、保育所設立のインセンティブとして、有効であった。
（前払により、抵当権の解除や所有者工事の一部に使用が可能）
しかし、運営費に賃料加算がなく、運営法人は毎月の賃料の支払に対する負担が大きかった。
平成27年度以降は、給付費に賃料加算が創設されたが、加算額が十分でない。
また、従来の賃料補助が廃止されたため、設立時における法人負担が大きい。
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下記の費用の一部前払に使用
月800～1,000千円
賃借料補助
賃貸物件を借り上げた整備補助 実際にかかる額
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