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社会保障審議会児童部会保育専門委員会 中間まとめ骨子(たたき台) - 厚生労働省

社会保障審議会児童部会保育専門委員会 中間まとめ骨子(たたき台)
序 保育をめぐる近年の状況
1. 保育所保育指針の改定の方向性
(1) 乳児・3歳未満児の保育に関する記載の充実
(2) 保育所保育における幼児教育の積極的な位置づけ
(3) 子どもの育ちをめぐる環境の変化を踏まえた健康及び安全の記載の見直し
(4) 保護者・家庭及び地域と連携した子育て支援の必要性
(5) 職員の資質・専門性の向上
2. 改定の方向性を踏まえた構成の見直し
(1) 見直しの方向性
(2) 具体的な章構成 ※別紙参照
3. その他の課題
(1) 子ども・子育て支援新制度の下での小規模保育等への対応
(2) 周知に向けた取組
(3) 保育の質の向上に向けて
資料1
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序 保育をめぐる近年の状況
現在の保育所保育指針は平成20年に改定を行い、平成21年度に施行され
た。その後、平成27年4月から子ども・子育て支援新制度が施行されるなど、
保育指針が改定された平成20年以降、保育所保育をめぐる状況は大きく変化
している。
近年、子育てをめぐる地域や家庭の状況も変化し、核家族化の進展や地域の
つながりの希薄化から、日々の子育てに対する助言、支援や協力を得ることが
困難な状況となるとともに、兄弟姉妹の減少から、赤ちゃんと触れ合う経験が
乏しいまま親になることも増えてきている。
また、共働き家庭が増加し続ける一方で、仕事と子育ての両立が課題とされ
ている。子育て期にある三十代及び四十代の男性で長時間労働を行う者の割合
も依然として高い水準にある。
このような、子育て家庭を取り巻く環境の変化によって、就労の有無や状況
にかかわらず、子育ての負担や不安、孤立感が高まっている。こうした状況の
中、児童虐待の発生も後を絶たず、非常に大きな社会的な問題になってきてい
る。
保育所利用児童数は、1、2歳児を中心に大きく増加している。0歳から2
歳までの子どもたちについては、小規模保育等の地域型保育事業が新しく制度
として設けられており、これらの地域型保育事業については、保育所保育指針
に準じて事業、保育を行うこととされていることから、そういった多様な保育
についても視野に入れた議論を行う必要がある。
保育所保育指針は現場の保育所、保育士にとって非常に重要なものであると
ともに、保育士養成校のカリキュラムや保育士試験の指針にもなっているとい
う意味でも大変重要なものである。
本専門委員会は、昨年12月より●回にわたり、様々なこの間の保育をめぐ
る状況の変化を踏まえ、平成30年度施行に向けて、幅広い見地から、改定に
向けた検討、議論を進め、この度、以下のとおり「中間まとめ」をとりまとめ
た。
今後、更に内容の充実が必要な点などについて検討を進め、幼保連携型認定
こども園教育・保育要領、幼稚園教育要領の検討の状況も踏まえつつ、本年末
を目途に、最終的な報告を取りまとめる予定である。
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1. 保育所保育指針の改定の方向性
(1) 乳児・1歳以上3歳未満児の保育に関する記載の充実
(乳児・1歳以上3歳未満児の保育の重要性)
○ 0歳から2歳までは、自己が形成され、他者との関わりを初めて持つなど、子
どもの心身の発達にとって極めて重要な時期。
○ 3歳未満児の保育の在り方は、その後の成長や社会性の獲得等にも大きな影響。
○ 海外の調査研究によれば、子どもの脳は生まれると同時に発達しており、幼少
期から様々な脳機能を発達させる環境を充実させることが重要。3歳になるまで
に、質の高い保育を受けた子どもは、そうでない保育を受けた子どもに比べて、
知的能力と言語発達とで差が見られたとの調査結果もあり。
○ 一方、1、2歳の利用率は平成20年度の27.6%から、平成27年度には
38.1%に上昇。近年、多くの3歳未満児が保育所保育を利用するように変化。
保育所における3歳未満児の保育の在り方については、保育指針においても、
より積極的に位置づけることが必要。
(基本的信頼感の形成)
○ 0歳から2歳までの時期には、乳児期から、保護者や保育士など特定の大人と
の間で愛着関係が形成、食事や睡眠などの生活リズムも形成。
○ この時期、周囲の人や物、自然など様々な環境とのかかわりの中で自我が形成。
○ 乳児期からの保育の積み重ねは、その後の成長や生活習慣の形成、社会性の獲
得にも大きな影響を与える。子どもの主体性をはぐくみながら行うことが重要。
○ 保育者との信頼関係の構築により基本的信頼感を形成することは、生涯を通じ
た自己肯定感をはぐくむことにもつながる。そのためにも、保育者が子どものサ
インを適切に受け取り、応答的な関わりを行っていくことが重要。
(学びの芽生え)
○ 乳児期からの子どもの生活の様々な場面で、主体的に周囲の人や物に興味を持
ち、直接関わっていこうとする姿は「学びの芽生え」。
○ 1歳から2歳にかけて、歩行の始まりから完成、言葉の獲得が見られる時期で
あり、人や物への興味・関わりを更に広げ、気づいたり、考えたり、主張するこ
とを繰り返しながら自己を形成。
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○ 簡単な言葉なども用いた、子ども同士の関わりの中で、他者と関わる力の基礎
が育成。
○ 0歳から2歳までの時期は、子どもの発達が飛躍的に伸び、様々な成長の段階
の姿が見られるという特徴。
○ 専門職である保育士によって、それぞれの子どもの発達過程に応じた「学び」
の支援が、適時・適切に行われることが重要。
○ 発達の連続性を意識し、3歳以降の成長の姿についても意識しての保育が重要。
(保育の内容の記載の在り方)
○ 現行の保育指針では、乳児・1歳から3歳未満児に関する保育所保育の記載が
3歳以上児に比べて少ない。
○ この時期の保育の重要性も踏まえ、その意義をより明確に示し、記載内容を充
実することが必要。
○ 現行の保育指針では、保育の内容について、すべての年齢を通じた共通の記載。
乳児・1歳以上3歳未満児の保育の内容について、3歳以上児とは別に項目を設
けて、この時期の特徴を踏まえた保育内容として新たに記載することが適当。
○ この時期においては、発達過程における成長の幅が大きく、発達過程に応じた
保育を行うことが重要。できるだけ発達過程と保育内容とを合わせた形で記載す
ることが適当。
○ 教育に関しては、いわゆる5領域に関する学びが、大きく重なり合いながら、
生活や遊びの中ではぐくまれていくということを踏まえた内容とすることが適
当。
○ 発達過程の最も初期に当たるこの時期には、「生命の保持及び情緒の安定」と
いう養護の側面が特に重要。養護と教育の一体性をより強く意識して保育が行わ
れることが重要。
○ 生活習慣の形成や家庭での学びとの連続性の確保などの観点から、保育所と家
庭との連携が極めて重要。
(考えられる具体的な保育の内容の例)
○ 保育内容の実際の展開にあたっては、少人数で落ち着いた環境を準備するな
ど、この時期の特徴を踏まえた保育上の配慮が必要。
○ 1つの保育所で保育する乳児の人数が増えている中で、乳児が落ち着いて過
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ごせるような少人数のグループ構成や、3歳未満児の自我の発達や興味の状況
に合わせた適切な人数のグループ構成による保育等、発達の状況等に応じて集
団規模を工夫することが有効。
○ クラス編成においても月齢や年齢による一律の区分だけではなく、それぞれ
の発達の状況に応じた編成を弾力的に行うような対応も重要。
○ この時期の子どもが穏やかに過ごす事が出来るよう、音の大きさや採光等、
室内の環境に対して丁寧に配慮。
(2) 保育所保育における幼児教育の積極的な位置づけ
(幼児教育の一翼としての保育所保育)
○ 幼児期は、生活や遊びの中で、自発的、主体的に、環境と関わりながら、生
涯にわたる人格形成の基礎を築いていく時期。
○ 適切な教育環境を整え、幼児の心身の調和のとれた発達を促すことが幼児教
育の重要な役割。
保育所の保育においても、認定こども園・幼稚園と共に、幼児教育の一翼。
○ 幼児期に受ける教育について、保育所保育指針は、5領域に沿って、幼稚園
教育要領との整合性を図ることが適当。
○ 平成26年には、幼保連携型認定こども園教育・保育要領が策定。施設種に
よらず、同等の教育内容で育まれることが重要。
(教育内容についての記載の在り方)
○ 5領域の構成について、各領域に「ねらい」「内容」「内容の取扱い」を記載
するなど、認定こども園、幼稚園との更なる整合性を図ることが適当。
○ 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を念頭におく必要。5歳児後半の
幼児の主体的で協同的な活動の充実、卒園後の学びへの接続を意識していくこ
とが重要。
(教育的活動の意識的な設定)
保育所保育における教育に関して、教育的活動の時間を意識した保育や、長
時間の生活という特性に配慮した時間の過ごし方が重要。
○ 乳幼児の主体的な活動の展開は、保育士による環境の構成が大きく影響。
保育士による教材及び環境の構成の検討について、継続的な取組が重要。
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(保護者との子どもの姿や学び共有、卒園児の学習の接続への配慮)
○ 5歳児については「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を踏まえた視点
からの評価を加え、接続に配慮。(他の幼児との比較や一定の基準に対する達成
度についての評定ではないことに留意)。
保育所児童保育要録については、幼保連携型認定こども園園児指導要録、幼
稚園幼児指導要録との整合性を図り、小学校での効果的活用。
○ 写真や映像を活用した日々の記録やポートフォリオなどを通じて、保護者と
共有する取組。
(3) 子どもの育ちをめぐる環境の変化を踏まえた健康及び安全の記載の見直し
(健康支援)
○ 乳幼児一人ひとりの健康状態や発育の状態に応じ、乳幼児の心身の健康の保
持、増進を図るよう努めることが重要。
保育所は集団が生活する場であり、保育所保育における健康と安全は、乳幼
児一人ひとりに加えて、集団の乳幼児の健康と安全から成り立つ。
○ 感染経験が少なく、体力・免疫力ともに十分でない乳幼児にとって、保育所
は初めての集団生活の場となることから、感染症に対する備えが重要。
○ 「保育所における感染症対策ガイドライン」や「保育所におけるアレルギー
対応ガイドライン」を、引き続き、保育所保育指針と共に一体的に運用。
保育所における感染症対策として、年齢に応じた計画的な予防接種を保護者
に勧奨することも重要な対策。
○ 嘱託医や市町村、保健・医療等地域の関係機関との連携を強化し、組織的に
子どもの健康支援の強化を進めるとともに、看護師等の配置を進め、専門性を
生かした対応。
保育所で長時間過ごす乳幼児にとって、心身の成長を支えるバランスの取れた
食事や適度な休息が重要。
○ 午睡は、乳幼児の年齢や発達の過程、家庭での生活や保育の時間などを考慮し
て、必要に応じてとることが重要。一人ひとりの心身の状態に応じてきめ細やか
に対応していく配慮が必要。
○ 安全な午睡環境の確保や乳幼児突然死症候群SIDS)に関しても配慮が必要。
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食育等の記載充実)
○ 食事は生命の維持、発育、発達に欠かせないものであり、生きる力の基礎を
育む上で非常に重要。食事は年齢が低いほど生活に占める割合が大きく、保育
所保育の生活の一環として重要。
保育所における食育の一層の推進を図るため、「保育所における食事の提供ガ
イドライン」を、保育所保育指針と共に一体的に運用。今後、平成28年3月
の第三次食育推進基本計画を踏まえていく必要。
保育所における食育では、成長・発達を支え、食を営む力を培うとともに、
家庭との連続性を意識することが重要。
○ 充実した食事の提供とともに、保育所における食への配慮を丁寧に保護者に
伝えることが、保護者への支援につながる。
保育所の食事提供において、自園調理は一人ひとりの状況に応じた対応がと
れ、職員間の連携がとれるなど、食育の推進を図る上での長所が多い。
食育をすすめるにあたっては、保育士、調理士、栄養士等が子どもとの関わ
りを深めながら連携し、一体となった取組が進められることが重要。
食育に関わる様々な関係者と連携・協働し、子育て世代の家族ともつながり
ながら、豊かな食育の取組が展開されることを期待。
○ 食物アレルギーのある乳幼児への対応については、「保育所におけるアレルギ
ー対応ガイドライン」「保育所における食事の提供ガイドライン」を保育所保育
指針と共に一体的に運用。
○ 安全で安心な生活が送れることを前提に、食物アレルギーのリスクを踏まえ
た対応と最新の正しい知識を職員全員が共通理解することが重要。
(安全な保育環境の確保)
○ 日々の保育においては、乳幼児の主体的な活動を尊重し、支援することが必
要。子どもが成長していく過程でけがが一切発生しないことは現実的には考え
にくいが、死亡や重篤な事故とならないよう、予防と事故後の適切な対応を全
職員で行うことが重要。
○ 安全な保育環境を確保するため、乳幼児の年齢、場所、活動内容に留意し、
事故の発生防止に取り組むことが必要。
○ 特に、睡眠中、プール活動・水遊び中、食事中等の場面等については、重大
事故が発生しやすいことを踏まえての対応が重要。
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○ 重大事故を防ぐために危険を取り除くことは必要だが、過度に遊びを制約す
ることについては一定の考慮が必要。
(配慮を必要とする子どもへの対応)
保育所は乳幼児が日々の生活や遊びを通じて共に育つ場所であり、全ての子
どもの健やかな育ちを支援するため、配慮を必要とする乳幼児についても、積
極的に受け入れて行くことが必要。このため、保護者や関係機関と密接に連携
しながら保育を行っていくことが重要。
○ 一人ひとりの障害は様々であり、その状態も多様であることから、発達して
きた過程や心身の状態を把握し、理解することが重要。関わりにおいては、個
に応じた関わりと集団の一員としての関わりの両面への配慮が必要。
○ 慢性疾患を持つ乳幼児、医療的ケアが必要な乳幼児等の保育にあたっては、
そのかかりつけ医及び看護師、保護者との連携を密にし、病状の変化や保育の
制限等について保育士等が共通理解を持ち、必要な医療的な対応が行われるよ
う配慮することが重要。
(4) 保護者・家庭及び地域と連携した子育て支援の必要性
(今求められている子育て支援
核家族化、少子化の進行や都市化の進展などに伴い、育児に悩む保護者が増
加。
○ 保護者にとって、身近に育児について、相談できる場所や子育て家庭同士の
交流の場所など、それぞれの状況に合う多様な支援が必要。
(保護者と連携した「子どもの育ち」への支援)
○ 海外の調査研究によれば、3歳になるまでに、質の高い保育を受けた子ども
は、そうでない保育を受けた子どもに比べて、知的能力と言語発達とで差が見
られるが、その影響の度合いは、保育施設よりも家庭の影響が大きい。保護者
への子育て支援の重要性は高い。
○ 平成20年保育所保育指針改定により「保護者に対する支援」が新たに章と
なり、さらに保護者支援の必要性が高まっている社会状況等も踏まえ、より積
極的な保護者支援が必要。
○ 「保護者と連携して子どもの育ちを支える」視点を持って、保護者が本来持
つ養育力が発揮できることを目標とした、保護者自身の主体性、自己決定を尊
重した支援を行うことが重要。
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(多様な保育の充実)
○ 保護者の働き方や暮らし方、社会構造などの変化により、保育ニーズは一層
の多様化。
保育所における夜間保育、休日保育、一時保育、病児保育など多様な保育の
充実にあたっては、子どもの生活の連続性を考慮した対応に留意しながら進め
ることが重要。
○ 貧困家庭や外国籍家庭など、特別なニーズを有する家庭への支援についても
配慮が必要。
(虐待対策)
児童虐待相談の対応件数は年々増加。複雑・困難なケースも増えており、発
生予防、発生時の迅速・的確な対応が必要。
保育所はそれぞれの家庭の多様な背景に合わせて、関係機関との連携を図り
ながら、適切な対応が必要。
保育所におけるソーシャルワーク的機能の在り方について、今後の調査研究
等によって具体的な検討を期待。
(地域における子育て支援事業の連携)
○ 現行保育所保育指針施行以降、子ども・子育て支援新制度の施行等もあり、
地域で子育て支援を行う団体は格段に増加。
保育所が行う地域の子育て支援との役割分担と連携、支援団体の専門性をど
うあげていくか、保育所の拠点的な役割について等、今後に向け検討を深めて
いく必要。
東日本大震災の発生等を経て、安全に対する社会的意識の高まり。
○ 入所児童の生命を守るための平時からの備えや危機管理体制づくり等を行政
や地域の関係機関と連携しながら進め、災害発生時の対応を保護者と共有する
ことが重要。
(5) 職員の資質・専門性の向上
(専門性の向上と新たな課題への対応)
○ 保育士は、子どもの保育や家庭での子育ての支援に関する専門職として、保
育所保育における中核的な役割。専門的知識・技術の向上や倫理観に裏付けら
れた判断・対応が必要。
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○ 子どもや子育てを取り巻く環境が変化する中で、様々な困難を抱えた家庭・
子どもへの対応や関係職種や機関との連携など、保育所に求められる対応は多
様化・複雑化しており、保育士としてもより高度の専門性が必要。
○ 専門職である保育士は、資格取得後も、日々の保育士としての業務等を通じ、
その専門性を向上させていくことが重要。多様な課題への対応や若手の指導等
にあたるリーダー的職員を組織の中堅として位置付けるなど、保育所における
職位や職責の明確化を図るとともに、それにふさわしい専門性の向上を図るた
めの研修機会の充実が必要。
○ 主任保育士、施設長等の管理的職員は、保育士等の職員一人ひとりの専門性
の向上や保育理念の共有等により、組織全体としての保育実践の質や専門性の
向上に取り組み、自らも管理職として、その専門性等の向上に努めることが必
要。
(職場における研修機会の確保)
○ 保育士の研修機会としては、まずは、職場での研修の機会が重要であり、職
員同士が学び合うような日ごろからの職場の雰囲気づくりや取組が重要。
○ また、より専門性の向上を図るためには、地方自治体や関係団体の主催する
外部の研修への参加が有効。
○ 職場内外での研修機会の確保については、ローテーションの工夫など、組織
的な対応が不可欠。施設長・主任保育士等については、こうした職員の研修機
会の確保に取り組む必要。
キャリアパスを見据えた保育士の研修機会の充実・体系化)
○ それぞれの保育士が、組織の中でどのような役割が求められているかを理解
し、必要な力を身につけることができるようにするためには、キャリアパス
明確化と合わせた研修体系の構築が必要。
キャリアパスと研修体系の構築は、保育士の専門性の向上とそれによる保育
の質の向上にとって重要であることに加え、保育士の職場定着、職場復帰のし
やすさや、同一施設にとどまらないキャリアパスでの活躍にも有効。今後の調
査研究等によって具体的な検討が行われることを期待。
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2. 改定の方向性を踏まえた構成の見直し
(1) 見直しの方向性
○ 前回行った大綱化の方針は維持しつつ、必要な章立ての見直し等を行うこと
が適当。
○ 現行指針第2章「子どもの発達」については、発達過程に関する基本的な事
項について「保育の内容」と併せて記述し、その他の詳細な事項については、
解説書に移行することが適当。
○ 現行指針第4章「保育の計画及び評価」についても、幼保連携型認定こども
園教育・保育要領、幼稚園教育要領に合わせ、総則に移行することが適当。
保育所における保育課程の作成については、幼保連携型認定こども園教育・
保育要領等との整合性をとり、総則において「全体的な計画」とすることが適
当。
○ 養護は保育所保育の基盤であり、指針全体にとって重要なものであることか
ら、養護に関する基本的な事項については、総則に移行することが適当。
保育所における教育の存在を明確にするために、ねらい、内容(5領域)に
ついては認定こども園、幼稚園と構成の共通化を図り、各領域に「ねらい」「内
容」「内容の取扱い」を記載。
○ 教育に関しては、乳児・1歳以上3歳未満児・3歳以上児について、それぞ
れ別の項目として記載。年齢別に記述することが適当でない項目については、
別途配慮事項として記述。
保育所保育指針には、保育の内容に関する事項と保育の内容を支える運営に
関する事項の記載があり、幼保連携型認定こども園教育・保育要領や幼稚園教
育要領との整合性を図る上で検討課題。
(2) 具体的な章構成 ※別紙参照
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3. その他の課題
(1) 子ども・子育て支援新制度の下での小規模保育等への対応
(記述の留意点)
○ 指針の内容のうち、地域型保育事業の該当する部分については該当事業者が
参照することを想定。
○ 3歳未満児の保育についての計画作成上の配慮事項を示すなど、小規模保育
等への指針としての意味が明確になることも必要。
(小規模保育等との連携)
○ 子ども・子育て支援新制度の下で、保育所と小規模保育や家庭的保育等との
連携や、保育所への接続の際の配慮。3歳未満児までの保育から3歳以上児の
保育への連続性についての配慮が重要。
○ 小規模保育など、3歳の時点で施設の移行が必要になるケースでは、引き継
ぎを円滑に行うことで保育の連続性を図るため、要録の活用を検討。
(2) 周知に向けた取組
○ 改定にあわせ、わかりやすい保育所保育指針解説書を作成。
保育所保育指針の趣旨・内容が保育の関係者に十分理解され、同指針が保育
現場において日常的に活用されるよう、施設長、職員を対象とした研修の充実
や市町村等の担当者に対する十分な周知等が必要。
○ 地域型保育事業や認可外保育所等で、認可保育所に準じた保育を行っている
施設長、職員に対しての周知の方法や内容についても検討が必要。
保育所保育指針の告示、施行を契機として乳幼児期の重要さを国民が共有す
る機会となるよう、一般向けの啓発の取組が必要。
(3) 保育の質の向上に向けて
○ 乳幼児の保育の重要性と共に、保育所が果たす社会的な役割の高まり。
○ 今回改定される保育所保育指針が一層の保育の質の向上の契機。
保育所はもちろん、保育士を目指す方々にも保育所保育指針が理解され、子
どもの健全な育成へとつながる取組が重要。