保育士求人・転職情報も満載!保育業界について考えるブログ

保育士、保育園、保育業界に関する様々な情報をまとめています。待機児童問題や転職が多いとされる保育士の待遇問題など保育業界を取り巻く問題に鋭いメスを入れ、社会全体で解決していくキッカケ作りをしていきます。

2016参院選 政策座談会(2) - 佐賀新聞

政策座談会で各党の主張を述べた(右から)公明・中本正一氏、自民・原田寿雄氏、民進・藤崎輝樹氏、共産・武藤明美氏、社民・徳光清孝氏=8日、佐賀市の佐賀新聞社
政策座談会で各党の主張を述べた(右から)公明・中本正一氏、自民・原田寿雄氏、民進・藤崎輝樹氏、共産・武藤明美氏、社民・徳光清孝氏=8日、佐賀市佐賀新聞社

 

社会保障子育て支援・教育

共産・最低保障年金を確立

自民・待機児童の受け皿を

 -子育て支援や介護、貧困問題など社会保障について、消費税率引き上げ延期で財源の懸念が強まっている。各党の方針は。

 藤崎 将来世代に負担を押し付けないのが基本。このため、政治改革や行財政改革、消費税使途の社会保障への限定化などを進めたい。医療、介護、保育など社会保障サービスの自己負担について、所得に応じて上限を設ける総額合算制度を創設する。子育て支援では、児童扶養手当の2人目以降の給付額を1万円に引き上げ、所得制限の緩和も考えている。保育士給与を5万円、介護士給与を1万円引き上げたい。

 武藤 消費税が8%に引き上げられた後も、社会保障や福祉が充実したわけではない。社会保障では最低保障年金制度の確立や、医療費、介護費の負担引き下げが大切。特別養護老人ホームの待機者や、待機児童の解消は施設を増やすのが大原則だ。職員の賃金アップなど労働条件、待遇改善にも取り組む。また教職員の定数改善を進めて、国の責任で30人以下学級を全ての学年で実現することも大事なことだと考える。

 徳光 生活保護費切り下げ、年金引き下げ、医療費の窓口負担増加など逆の政策が相次いでおり、あらためてセーフティーネットをつくり直すことが求められている。年金は保険費と税金を組み合わせ、月最低8万円の基礎的年金を党として目指している。医療、福祉、介護、生活支援が連携した地域包括ケアシステムが必要。教育現場の多忙化を改善するため35人学級を実現し、特別支援教育の充実も大切と考える。

 原田 教育は国家の基本であり、全ての子どもが質の高い教育を受けられるよう財源確保に努めたい。待機児童解消も喫緊の課題で、自治体の保育園のほか企業主導の保育施設も積極的に展開し、50万人分の受け皿をつくりたい。また年金に対する国民不安をしっかり受け止め、世代間の不公平感も解消したい。医療は地域格差をなくし、健康寿命を延ばすことが大事。地域包括ケアシステムにも取り組む。

 中本 年金は将来世代の給付水準確保に取り組みたい。医療は負担軽減に着手しているが、団塊の世代後期高齢者となる2025年に向けて、地域包括ケアシステム構築が大きな課題となる。地域事情に応じた病床数の確保、在宅医療の担い手育成、医師不足対策なども必要だ。待機児童解消では、50万人分の受け皿を整備するとともに保育士給与を2%引き上げる。また介護離職ゼロを目指し、待遇改善に取り組む。

■若者へのメッセージ

民進・小中から主権者教育を

 -参院選から18歳選挙権が適用される。若者にどうアプローチするか。

 藤崎 教育政策や雇用、社会保障について分かりやすく訴え、まず政治に関心を持ってもらいたい。正社員で働き、希望すれば結婚して子どもを持つことができる社会を確立すると強調する。主権者教育を小中学校から推進し、被選挙権年齢を一律5歳引き下げる。

 武藤 若い人は生きづらさを抱えている。政治に変わってほしいと思い、さまざまな問題について真剣に考えようとしている。若い人たちの熱意が見えてきたとき、大人にも連帯が生まれてくると思う。若者向けの雑誌を発行し、親しめる政治を訴えている。

 徳光 18歳選挙権が頻繁に報道され、若者の間で選挙や政治への関心は高まっていると思う。若者だからこそ社会の矛盾に敏感であり、日常生活が政治といかに関わっているかを訴える。政策では正社員をしっかり増やし、今の奨学金制度を抜本的に変える。

 原田 生活の中で政治を実感してもらうことが大事。若者の就業率は主要7カ国の中でも高い。自公政権になり、若者の就職状況は劇的に変わっている。しっかりとした経済対策の果実でさまざまな政策を実行する、そんな政党や政治家を見定めて選んでほしい。

 中本 日本が抱える政治課題は、若者の未来に直結する。若者の声を政治に反映する仕組みをつくるべきとの観点から、実現してほしい政策を選ぶアンケートを全国で展開し、一千万人以上の声を聞いた。魅力ある政策を提言し、政治に関心を持ってもらいたい。

■政治離れ、低投票率

公明・魅力ある政策を提起

 -有権者の政治離れが指摘され、低投票率が続いている。党としてどう捉え、どのような対策を取っているのか。

 原田 政治を生活の実感として感じてもらい、将来の国のあるべき姿を問う選挙だと誠実に訴えていく。政権をつぶすと訴えたり、財源の裏打ちのない聞こえのいい政策を掲げたりするのではなく、真に国民の暮らしに直結する政策を確実に実行していく。

 中本 若者や子育て世代の投票率が低い傾向にあり、その人たちが共感できるような魅力ある政策を提起することで、政治への関心を高めていきたい。「政治とカネ」など政治への信頼を損なう出来事が続いており、政治家自身が襟を正さないといけない。

 藤崎 低投票率を深刻に受け止めている。まずは党がしっかり争点を訴えることが大切になる。そして、この選挙が今後の日本にとっていかに重要なのかを理解してもらう。クオーター制の衆院選比例区への導入により、女性の政治参加を促していくことも重要だ。

 武藤 国民から信頼される清潔な政治を取り戻すべき。政治とカネの問題を起こした甘利明前大臣や舛添要一都知事など政治家たちの責任は大きい。TPP交渉において国会決議も守らないような、国民を裏切る政治では駄目。政治や選挙を身近なものにしたい。

 徳光 どの政党が政権を取っても政治は変わらないと諦めた人が増えている。これは政治の責任であり、政党や政治家の責任でもある。投票に行かないことは現政権に白紙委任することで、それでは政治は良くならない。国民の手で政治は変えられると訴えたい。

憲法改正

社民・自民草案許さない

公明・新しい時代に対応

 -今回の参院選の結果、「改憲勢力」が議席の3分の2を確保すると、憲法改正が政治日程に上る可能性が高い。憲法改正に対するスタンスは。

 武藤 政治権力者は憲法を尊重する義務を負うのに、安倍政権は集団的自衛権の行使容認や安保法制の成立など、憲法を破壊しようとしている。立憲主義を踏みにじる独裁政治ではないか。震災を口実にした緊急事態条項にしても、権力集中、戒厳令の再来になる。

 徳光 安倍首相は憲法改正を明言しており、その先に憲法9条の改正が透けて見える。戦後日本の平和を守ってきた憲法を改正することには反対だ。自民党の草案は現憲法の平和主義、基本的人権の尊重、主権在民の3原則を覆そうとしており、これは許されない。

 藤崎 憲法の役割は、国家権力の暴走、多数決の横暴から、国民の自由や権利を守ることにある。時の権力が自らの倫理観を国民に押し付けるものではない。したがって改正に当たっては、丁寧な議論を積み上げ、広範な合意の成立を目指すべきだ。

 中本 現憲法の下で民主主義が発展し、戦後秩序が形成されてきた。しかし、戦後70年がたち、憲法も法規範である以上、新しい時代に対応していくべきだと考える。大切なことは何を守り、何を変えようとするかであり、冷静に議論を積み重ねる必要がある。

 原田 自民党は結党以来、自主憲法の制定を掲げている。衆参両院で議論を進め、各党と連携を図り、憲法改正案の提案を目指しているが、最後に決めるのはあくまでも国民の皆さまになる。国民の合意形成に向け、各党との議論を真摯(しんし)に進めていきたい。